基礎知識

楽に高音が出せるボイストレーニングのまとめ!~高音を出すのにおススメな曲!男性編&女性編~

高音を出す練習

男性が楽に高音を出すのにオススメな楽曲 しるし Mr.Children

「しるし」は、Mr.Childrenの29枚目のシングルで2006年11月15日にトイズファクトリーより発売されています。オリコンチャート2週連続・通算3回1位。日本テレビ系ドラマ「14才の母」の主題歌でした。

Mr.Childrenのボーカルは桜井和寿さん。1970年3月8日生まれで、高校の時に軽音楽部内にMr.Childrenの前進となるバンドを結成します。その後1992年5月10日、アルバム「EVERYTHING」で「Mr.Children」としてメジャーデビュー。その後の活躍はご存じの通りです。桜井和寿さんの声の特徴を言葉にしようとすると、人によって捉え方や表現の仕方は色々だとは思いますが、総じて「高音は細くて力強い声を響かせ、伸びやかに歌い上げている。」という部分は共通しているのではないでしょうか。

この曲のプロモーションの中で桜井和寿さんは、「最高のラブソングができました。」と表現されています。それも「愛情が高まった二人」でも「離ればなれになる二人」でも、どちらでも解釈できると。
ドラマの主題歌として曲を聞くのであればやはり「親子の愛」がすぐ連想されるのですが、夫婦や恋人同士、大切な人をなくしてしまう、しまった人、別れざるを得なかった人。色々な心情にも重なってきます。
そういった意味でも最高のラブソングと言えます。

色々な解釈をすることができる抽象的な言葉で表現される愛の形。曲中の歌詞の「違うテンポで刻む鼓動」一つとってもある人は「抱き合った二人の、互いの鼓動だ」と受けとる人もいれば、ある人は「お腹の中の胎児の鼓動を感じている母親だ」と解釈する人もいます。

また、サビで何度も連呼される「ダーリン」。
日本では女性から男性に向けて使われる印象の強いフレーズですが(ラムちゃんの功績が強すぎるとも言えます)、本来の意味は男女を問わず「愛しい人」。タイアップのドラマともかけて、母親がお腹の中の我が子に向かって呼び掛けるという解釈も狙っているのではないでしょうか。

この曲がどんな曲なのか。
曲の二人は恋愛中なのか、別れてしまったのか。
タイトルにもなっている「しるし」とは何を表しているのか。
どれも、歌い手に委ねられています。

解釈の一つとしてストレートに男女の歌として見るのなら、この「しるし」の歌詞の男性は、相手の女性のことで頭がいっぱいになってしまい、この感情をどうしたら、うまく伝えられるんだろうというもどかしさをかかえながらも、それをそのまままっすぐストレートに伝えています。その正直さ、実直さによって、最高の愛情を描いている。それがこの曲のグッとくるポイントと言えるのではないでしょうか。
いくら頭で考えて、恰好をつけた、とってつけた言葉を選んでも、決して相手に届かない、人を好きになってもマニュアル通りになんていかない、結局かっこわるくなってしまうのが恋愛だ、というのをしっかりと見せます。Mr.Childrenの歌詞はこのかっこ悪さをズバリ出すことで、かっこよさを表現しています。

この歌の音域は一番低い音はmid1C(ド)で、地声での最高音はhiB(高いシ)。裏声での最高音はhiA#(高いラ♯)となります。
一般的な男性の音域がmid1A(低いラ)から、mid2G(高いソ)といわれていますから、そこより更に高音を要求される歌となります。

この曲はドラマの主題歌だったということもあり、、Aメロ→Bメロ→サビ→転調サビというドラマティックなメロディー展開となっています。
AメロBメロについては、サビへの準備段階ということでややキーが低めで、mid1C(ド)から一番高いところでmid2F(高いソ)になります。
そのおかげでAメロBメロは歌いやすくはあるのですが、結果的に曲全体を通した音域が広くなってしまっており、原曲からキーを下げることも難しくなっています。

難所と言えるのはやはりサビで、この辺りからhiA#(高いラ♯)等の音も登場し始めます。
さらに曲のクライマックスである転調サビの部分でこの曲最高音となるhiB(高いシ。それも裏声ではない)が登場し、一番の難所となります。

楽曲全体を通して、hiA(高いラ)以上のキーはそこまで多くないのですが、ロングトーンが多く登場し、その点で難易度が高いといえます。

で、この高音に対応するためにまず、表情筋を上げて口をしっかりと動かして歌います。ものまねを推奨するわけではありませんが、桜井和寿さんはライブ映像を見れば一目瞭然ですが、高音を出す時には表情筋をしっかり上げて明瞭に響かせています。

日本語は英語に比べると口を動かさないなんて言われる事もありますが、桜井さんのように口をしっかり動かすことで、高音を出しやすくなるのです。

また、桜井和寿さんの歌い方は、歌うときに首に力を入れない、つまり喉のインナーマッスルで歌う練習をするのにピッタリです。Mr.Childrenの楽曲のなかでも特にこの『しるし』は、ほとんど強く歌っていません。それだけ余計な力を使わずに歌っているということです。

中~高音に対応するためのミックスボイスで歌うには、喉のインナーマッスルも大事ですが同じくらい腹式呼吸が重要になります。声量や声の勢いを、喉ではなくお腹から吐く息で調整してやるのがコツになります。

奏 スキマスイッチ

「奏(かなで)」は、スキマスイッチが2004年3月10日に発売した2枚目のシングルです。映画『ラフ ROUGH』挿入歌。フジテレビ系4夜連続ドラマ『卒うた』第3夜主題歌。東京海上日動あんしん生命保険「メディカルKit R スキマスイッチ 「奏(かなで)」 for 東京海上日動あんしん生命篇」CMソングなど、様々な場面で使用されています。オリコン最高順位は22位。2004年度年間順位は148位でした。

スキマスイッチのボーカルは大橋卓弥さんです。
大橋卓弥さんの歌声は、鼻腔を意識した丸く、柔らかい声が印象的です。同じようなニュアンスを持たそうとすると斜め後ろ方向へ声を飛ばすようなイメージとなります。ただ単に真似るだけならできないこともないかもしれませんが、使いこなすとなると話は違います。そういう点でもやはり、大橋卓弥さんの歌い方は完成されています。

ビブラートも自然に綺麗にかかります。フレーズによってはまっすぐに歌うこともあり、伝わりやすく綺麗に聞こえる歌声と感じる人も多いのではないでしょうか。

ボーカルの大橋さんが生まれてくる子供に、「男の子でも女の子でも付けたい名前」をタイトルにしたという「奏」ですが、一組の男女が離れ離れになってしまう。特に女性が離れていってしまうというシチュエーションを歌っています。「別れの瞬間」がこの曲のテーマとなっています。歌詞のなかに物語を確立させることで、誰もが直面する別れを誰もが共感できる繊細な歌詞で描いています。

「別れ」は寂しいものではあるものの、それでもそれまでに積み重ねてきた時間は決して無駄ではないし、離れてしまっても想いがあれば絆は途切れない。そんなメッセージが込められているのではないでしょうか。

曲の音域ですが一番低い音がmid1D(レ)で地声での最高音がmid2G♯(高いソ♯)裏声での最高音はhiA♯(高いラ♯)となります。音域だけ見ると歌いやすいように見えますが、Cメロ、ラストサビでの中高音が連発されるため、なかなか厳しい曲となります。この曲のサビの部分ではファルセットを出すとキレイに歌い上げることができます。優しいメロディーにのせてしっかりとファルセットを出すことができれば、より魅力的に表現することができます。
男性が楽に高音を出すのにオススメするのは、この曲に必要となるファルセットが比較的簡単なためです。

君に届け flumpool

「君に届け」は、flumpoolのメジャー5枚目のシングルです。2010年の映画『君に届け』主題歌で、オリコンチャート週間2位。同チャートで2010年10月度月間8位を獲得しています。

ボーカルは山村 隆太さん。flumpoolの他にTHE TURTLES JAPANのボーカルとして活動されています。2017年12月6日に「歌唱時機能性発声障害」のため無期限の活動休止を発表しましたが、2019年1月13日 flumpoolの活動を再開しています。
声の特徴は基本的に柔らかい声帯の鳴りを主体としていて、歌声も地声域の発声が中心となっています。

地声のままで高音域帯までカバーしているので、あまりミックスボイス域を必要としていないようですが、高音域はファルセットで歌っていて、綺麗でしっかりとした鳴りのあるファルセットを使いこなしています。

歌詞の中身は、男目線からのガチガチなラブソングです。
歌われているのは、曲の主人公である「僕」が大好きな「君」への想いを届けたい、という訴えです。

歌は「僕」が「君」の全てを見つめている場面から始まります。
曲の中の「僕」は、特に「君」の笑顔が好きです。好きな人の笑顔。当たり前ですが確かにこれ以上に輝いて見えるものはありません。

この歌には、凝った言い回しや難しい表現はありません。ただ素直に、ストレートに、「君」に「好きだ」という想いを伝えたい、という気持ちが溢れています。

この曲の音域は一番低い音がmid1A#(低いラ♯)で地声での最高音がmid2G♯(高いソ♯)裏声での最高音はhiA♯(高いラ♯)となります。

最高音がmid2G♯(高いソ♯)と、そこまで高音ということではありませんが、一番低い音がmid1A#(低いラ♯)となり、音域そのものは広い曲という特徴があります。特にAメロに関しては、かなり低いメロディーが続きます。この辺りの高さがしっかり歌いこなせるようになれば、様々な曲に応用を効かせられるようになります。

サビまでは低音が続くので歌いやすいものの、サビに入るとそれまでと比較して急に音程が上がります。高音が続き、裏声を少ししか使わないとは言え、男性にとってきつめのメロディーが続きます。その際もあまり声量差が出ないように、同じ力具合で歌うように心がけましょう。口角を上げ、口を横に大きくあけることを意識して歌うことで、そうしない時より高音が楽に発声しやすくなります。

女性が楽に高音を出すのにオススメな楽曲 三日月 綾香

「三日月」(みかづき)は、絢香さんの4枚目のシングルです。2006年9月27日にワーナーミュージック・ジャパンから発売されています。
この曲で2006年12月30日の『第48回日本レコード大賞』で最優秀新人賞を受賞します。また絢香さんにとって初となるオリコン週間チャート初登場1位を獲得しています。

絢香さんの声の特徴は、クリアでまっすぐ伸びやかな発声です。また、フェイクという本来のメロディーラインをわざとずらしたり、もともとメロディーが無い部分に、敢えてメロディーを加えたりするテクニックを、たくさん、そしてしつこくない感じで程良く組み込んでいます。
この歌の作詞は絢香さんが地元である大阪を離れることが近づいてきたときにはじめたそうです。歌詞には地元でずっと一緒に過ごしてきた家族や友達への想いや「空に浮かぶ月を通して大切な人とつながっている」という思いが込められています。

二人で一緒に歩いた思い出をふり返れば、一人きりになった今の孤独感が増していきます。しかし、歌の中の主人公には孤独感から来る寂しさに負けそうになる弱さだけでなく、「もう泣かないよ」と決意し、同じ三日月を見上げているであろう大切な人とのつながりを感じようとする強さも伺えます。

離れ離れになっても相手を想う切ない気持ちを、「三日月」が印象づけています。

曲が発表された2006年当時、一般的になっていた折り畳み式の「携帯電話」。歌詞の最後を締める手をのばした「三日月」には、離れていても同じ月を見上げながら相手とのつながりを感じようとする描写を、相手の声を聞きたくて手を伸ばすその「携帯電話」に喩えているのではないでしょうか

この曲の音域は一番低い音がmid2B(シ)で地声での最高音がhiD(高い高いレ)裏声での最高音もhiD(高い高いレ)となります。
女性の一般的な声域がmid1F(ファ)からhiD(高い高いレ)となるため、女性の一般的な声域内に収まっています。

絢香さんの『三日月』では、腹式呼吸でしっかりとファルセットを出していく力強さを要求されます。腹式呼吸がしっかりしていない状態でこの曲を歌うと声が裏返ってしまうので、呼吸のコントロールが非常に重要となります。
また、高音の練習だけではなく、ロングトーンも多用されているため、ビブラートの練習をしたい人にもお薦めな曲となります。

君がくれた夏 家入レオ

「君がくれた夏」は、2015年8月19日にColourful Recordsから10枚目のシングルとしてリリースされました。オリコンチャート6位。フジテレビ系月9ドラマ『恋仲』の主題歌で、最終話のサブタイトルにもなっています。
家入レオの爽やかな歌声には透明感があり、高音域の歌でも苦しそうに聴こえないのが特徴です。

この歌の歌詞は、ドラマの台本を読んでから書いたそうなので、内容は「恋仲」というドラマに寄っています。
失恋を描いていて、過去の恋を少し後悔しながらも前に向いて行く、というような歌詞になっています。
この曲の音域は最低音はmid1G#(ソ♯)、最高音はhiD♯(高い高いレ♯)となります。
高音では本人もしっかり裏声を使って歌っているし、ゆったりとしたリズムの曲なので、ハイトーンの練習をするのに向いた曲です。

会いたくて会いたくて 西野カナ

「会いたくて 会いたくて」は、西野カナの10枚目のシングルです。2010年5月19日にSME Recordsから発売されました。オリコンチャートでは自己最高の週間2位を獲得しています。

西野カナさんは、日本語をはっきりと発声しているのが特徴です。わかりやすい言葉で主張を並べた歌詞なので、はっきりとした日本語の発声をすることで主張を伝えやすくする効果もあります。はっきり発声するためのポイントは、母音を特に意識することです。意識をせずに歌ってしまうと「た」や「さ」と言う時に、「TA」や、「SA」の母音「A」の発音をこもらせてしまいます。最後までしっかりと「TA!」「SA!」と言い切ることを意識しましょう。

西野カナさんの歌の特徴の一つは声がきれいに伸びるところです。いわゆるロングトーンです。一瞬だけ低い音を出してから譜面の音に合わせます。この動きは音を外しやすいのですが、西野カナさんはこれをきっちり音程を合わせて伸ばしてきます。そして伸ばしている間の音程も全くブレません。同じ音でまっすぐに伸ばしています。ビブラートをほとんど掛けないことも特徴です。

ロングトーンをきれいに伸ばせるようになるためには、まず出だしの音程をしっかり当てることです。そしてその力加減、息を出す圧力がどれくらいかを覚えます。そしてそれを一定に保つようにして歌うように心がけましょう。

歌詞の中身は、今更あれこれと言うことはないでしょう。歌詞を追っていけば自然と見えてきます。会いたくて会いたくて震えるのです。

音域ですが最低音はmid1G#(ソ♯)、最高音はhiE(高い高いミ)裏声を使った最高音は、曲の最後で転調する結果hiD♯(高い高いレ♯)となります。
上に突き抜けていくような高音が難しい曲です。まずは綺麗で芯のあるヘッドボイスを練習してうまく低音から高音を繋げられるようにしましょう。

ABOUT ME
EMI
高校時代にみんなでいったカラオケで周りからバカにされてトラウマに。 独学でいろいろと歌を勉強してみたものの全くうまくならずに、一念発起してボイトレスクールに。 スクールの講師やそこでできた友達のおかげで高校時代の友達から歌うまといわれるまでに様変わり。 ギター、ピアノ、ウクレレなども習得しマルチな音楽家を目指すも結婚、出産により現在休止中。 2児の母。 好きな歌手は、小柳ゆき